ヤシ科・不乾性・加熱可
パームカーネルオイル/Elaeis guineensis
(guineensisはギニアを指すラテン語。和名は「仁油」。)
主な栽培地域
西アフリカ原産、東インド、ブラジル
採油
アブラヤシの実を割って取り出された核から抽出
比重
0.900~0.913
色
溶解で薄黄色、凝固でアイボリー色
匂い
個人的に使用しているものに特別な匂いはありません
融点
25~30℃
品質保持期間
1年くらい
適用
外用、内服
オレイン酸-14~19% リノール酸-2~4%
カプロン酸-0~1% カプリン酸-2~4% カプリル酸-2~4% ラウリン酸-43-~49% ミリスチン酸-15~17% パルミチン酸-8~11% ステアリン酸-2~3%
主にビタミンE.A.D.B1.B2、カロチノイド、フィトステロール、レシチン、カリウム、リン、マグネシウム、硫黄、カルシウム、、ナトリウム、銅
炭素数8のカプリル酸と炭素数10のカプリン酸の量が少ない点以外の性質や特性及び使用法は、ココナッツオイルとよく似ていますが、ココナッツオイルはココヤシの軟らかな果皮から抽出されたもので、パームカーネルオイルはアブラヤシの実を割って取り出した核から抽出されているという大きな相違があります。
日本では、ココナッツオイルとパームカーネルオイルの両方を併せて年間約10万トンが消費されているそうで、そのうち約6割が洗剤や石鹸などの工業原料として利用され、約4割は食用として用いられています。
食品には水素添加されたパームカーネルオイルが使用されており、乳脂肪に性質が近いので、マーガリンやショートニング、ホイップクリームやラクトアイスの原料など、もしくはインスタント食品の揚油に使われています。
見事にトランス脂肪酸としか感じようがないのですが、資料によると、中鎖脂肪酸含有率が高いため、消化代謝され易く、乳幼児食や病人食としても適しているそうです。
ココナッツオイルと同様、石鹸の泡立ちを良くしてくれます。
ココナッツオイルに比べてオレイン酸がやや多く、刺激の多いラウリン酸やミリスチン酸が少ないので、低刺激となります。
主観でしかないかも知れませんが、サクサクが心地好いココナッツオイルの泡より、パームカーネルオイルの泡の方がマッタリと柔らかくなる気がします。
また、付随して、石鹸の仕上がり自体もマイルドになる気がします。
起泡オイルを配合する場合、ココナッツオイルかパームカーネルオイルどちらかを選ぶとき、どのような石鹸にしたいのか、あるいは他のオイルとの兼ね合いを考えて選んでいます。
特に報告は見当たりませんが、あまり食さない方がよいと感じます。
意識的に直接は食さなくても、なんらかの加工品から摂取してしまう種類なので気をつけましょう。