みみちゃん石けん

こんな石けんが欲しかったから
クオリティー高いオイルによる蘇生力がたっぷり内包された石鹸
  • image01
  • image01
  • image01
  • image01
  • image01

手作り石けんの一般特性とみみちゃん石けんのこだわりについて

  • コールドプロセス製法

  • 手作り石鹸の最大の特性は、オイルに熱を与えずオイルが発する自然な熱だけを利用し、長い時間をかけて熟成させることで、オイルの有効成分を大事に閉じ込められる点です。
    みみちゃん石けんでは、融点の高いオイルにだけ湯煎による最低限の熱を加え、融点が低いオイルには熱を加えず、できるだけオイルが持つ組成を生かしています。

  • 天然のグリセリン

  • 熟成過程でできる天然のグリセリン(保湿成分)を工業的に塩折していないため、まるごと含有されます。
    グリセリンは水で簡単に流れ落ちるので洗い流す石鹸に含まれていても本質的な保湿効果は望めませんが、洗浄力がマイルドになるため、肌当たりが優しく穏やかな感触を与えてくれます。

  • オイルのディスカウント

  • 石鹸に使用する油脂全てをアルカリと反応させないように水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)の量を減らします。
    こうして石鹸の中に残った未反応の良質なオイルは、洗浄時には石鹸のミセルの中に閉じ込められていますが、すすぎ時に石鹸の濃度が薄くなり、ミセルが壊れて水の中に油脂か放出して皮膚に付着するため、洗浄後に潤いが残る仕組みです。
    手作り石鹸を作る原料にはもともとトリグリセリドが含まれており、石鹸を作る過程で、トリグリセリドがモノグリセリド、あるいはジグリセリドに変化します。
    石鹸に残る油脂は、トリグリセリド、モノグリセリド、ジグリセリドの混合物であり、皮脂膜に非常に近い成分です。
    みみちゃん石けんでのディスカウント率は平均15~20パーセントです。

  • 熟成期間

  • オイルと水酸化ナトリウムを混ぜ合わせた直後から石鹸化の化学反応が起きます。
    アルカリ度の低い心地好い石鹸になるには長い熟成期間を必要としますが、一般、1ヶ月で解禁とされています。
    みみちゃん石けんでは独自の検証により、本当にマイルドな石鹸にするために最低2ヶ月を解禁の目処にしています。
    手作り石鹸は保管中にも緩やかにケン化が進み、更なる熟成によってマイルドな使い心地となっていきます。

  • 泡立ちと泡立て方法

  • 手作り石鹸は市販の石鹸に比べて泡立ちにくいです。
    みみちゃん石けんの石鹸は、極力、刺激を抑えた穏やかな石鹸を作るために、泡立ちのためのオイル(ココナッツオイル、パームカーネルオイル)の比率を抑えています。
    (ココナッツオイルが含有するカプリル及びカプリン酸が乾燥を誘発すると言われています。
    パームカーネルオイルの方がカプリル酸及びカプリン酸の含有が少なく、保湿性の高いオレイン酸含有が多くあります。
    初めてお使いの方は少々泡立てに手間取るかも知れません。
    私も初めて使った時は、なんだ?これ?と、捨ててしまいたくなるほどに泡が立たず、驚きました。
    私の泡立て方は、洗面器に20ミリほどのほんの少量のお湯を入れて、濡らした泡立てネットで泡立てます。
    最初は石鹸をこそげとるほどの勢いでネットに擦り取り、後はひたすら揉んで泡立てます。
    水気が少なければ途中で少量すつ足します。
    多めの水気を足せば緩やかな儚い泡が、水気を少なめにすれば硬く弾力のあるクリーミーな泡ができあがります。慣れるとすぐに洗面器一杯の泡が立ちます。
    汚れは肌を擦ることではなく泡を転がすことで充分に落ちますので、立てた泡をたっぷり手に取って、滑らかな泡を転がしてください。

  • 柔らかさと溶け崩れ

  • 使用オイルによって違いはありますが、市販の石鹸に比べてかなり柔らかく出来上がっています。
    みみちゃん石けんでは石鹸を硬くするためのパームオイルについては、パルミチン酸の含有が多く、使い続けることで皮脂線の活動を阻害する可能性を考慮し※それぞれの使い勝手を考慮した上で、自身では最低限かと思われる10~15%の配合としています。
    ※自己責任で肌に使用した場合

    また、このような石鹸は先に書いたように天然のグリセリンをたっぷり包容しているたけに水分を引き付ける特長があるため、湿気の多い場所に放置すると溶け崩れを起こしやすくなります。
    使用後は風通しの良い場所に置き、水分が切れるタイプの石鹸置きを使っていただきたく思います。
    湿ったままにしていると表面にヌルヌルした透明の膜ができたりしますが、天然のグリセリンですので問題はありません。

  • 着香

  • 開店から8年間、下記(元の文を一部残しました)にある理念の元、着香に興味を持ちませんでしたが、2020年のクリスマスコフレを作る際に長い長いコロナ禍の中だから、むしろお祭り気分で元気と癒し心を高めて欲しくて、着香による湿潤淡い石鹸にならないよう、基礎になるオイルのバランスを工夫しながら強めの着香を試みたところ、バスルームに幸せ気分が漂って、もっと香りたくて深呼吸すると心身共に高揚したりリラックスしたりすることに気付いたため、2021年2月のリリース分から、商品のいくつかに着香をしはじめました。

    私自身は精油は塗布での強い効果実感はあるくせに、酢酸リナリルやリナロールを含有する精油を浴びるほどに嗅いでも、鎮静作用なるものが理解できない鈍感者で、おまじないじゃあるまいし、香り成分で取れる疲れなどたいした疲れではない、嗅いで和らぐ辛さなど本当の辛さではない、とまで揶揄してきましたが、長く皆様のブレンドオイルを作らせていただいている期間に、自身が鎮静する成分、高揚する成分が分かってきたり、時にあまりに多種類の精油を嗅いで頭がボンヤリしてしまったことから、嗅覚からの作用は確かにあることを認識しての着香でもあります。

    また、ブレンドオイルやブレンドスプレーの香りで、その日の疲れや辛さをリセットできると言ってくださる方々に学びました。
    疲れは疲れ、辛さは辛さとガチ対峙しかしない私にとって、どうにかリセットしようとする、救われようとする方々の根底に、対峙する無駄なパワーではなく、しなやかに生きるというパワーを感じたのも石鹸着香に及んだきっかけです。

    着香は全て天然の精油に固執します。
    長く精油を扱っている、こねくり回している、楽しんでいる、よって、せっかくだからと、着香は各石鹸のテーマに合わせた精油を個人的見解から選択しています。

    嗅覚は、人間の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)の一つですが、この中で嗅覚だけが大脳新皮質を通さず、大脳辺縁系(感情、記憶、食欲などなど本能的な機能を司る部位)にダイレクトに伝わります。
    また、匂いの刺激が伝わると素早く心身が反応するのは、大脳辺縁系の周辺にある自律神経の中枢である視床下部やホルモン分泌に関わる下垂体に即時働きかけるからです。
    よって、効果効能も即効性が高いです。

    精油の香り成分は、塗布では毛細血管やリンパ管から有効成分が吸収され、全身に運ばれますが、呼吸をすることでも肺に取り込まれて血中に入り込み、全身を駆け巡ります。

    このように精油の香り成分は、皮膚だけではなく、肺からも素早く浸透するため、症状(状態)と精油の作用が合えば効果は絶大です。

    取り込まれた精油の香り成分は、臓器で濾過、利尿によって3時間以内には排泄されるという研究データがあるほどに素早いので、(1時間で排泄されるデータもあります)、それだけ素早く体内に浸透するということなのです。

    ただ、香りには個人の嗜好、もしくは状態に応じて合う合わない、合う時合わない時があります。

    また、嗜好とは別に何かの香り成分に過敏な方もありますが、一つの精油が香り成分を複雑に多種類抱えているため、何が合うのか合わないのか決定付けにくいという難点もあります。

    石鹸を選んでいただく際には、まず「好き」あるいは「好きだと思う」香りから選択していただきたいと思いますが、合成して作られた香料の香りのイメージが刷り込まれている場合、精油は同じ名前のそれとはイメージが違った香りである場合も多々なので、名前だけでは選択しにくいかも知れません。
    各石鹸の詳細に稚拙ながらできるだけの説明をしてみましたので、禁忌を含めて参考にしていただけますように。
    また、まだ数が少ないままですが、「精油の説明」のページもご一読ください。

    ※開店当初2013年記ーーー
    手作り石鹸は、どうしてもオイルの原臭がしてしまいます。
    ケン化させないオイルがたっぷり包容されていることと、オイルが抱えた天然の酸化防止作用成分以外の酸化防止剤や防腐剤を配合していないため、特に空気に触れる表面だけが酸化しやすいのも一因です。

    石鹸は解禁後にも粛々と熟成し、ほんの少しずつ酸化も進みます。保管状態によって表面が酸化しても泡立てると気にならず、一年以内の使用ならばたいていは問題なく、むしろマイルドな石鹸になっています。

    そこで香り付けについてはかなり考えましたが、私自身の理念により、基本的には付けていません。

    まず、着香あり、着香なしの2通りで同じオイルバランスの石鹸を作って比べた場合、オイル濃度が薄まるのか精油が持つ成分の影響か、着香ありの方が乾き勝ちな石鹸になるのも着香に気が進まない要因の一つです。
    (以下、省略。)

  • 使用原料について

  • 開店当初から私自身が納得した食品グレード及び化粧品グレードのオイルを使用しています。
    が、長くよりよい石鹸を求めて様々なオイルを扱っているうちに、結果的に化粧品グレードのオイルの使用がほとんどになりました。

    もともと個人的に楽しむために作り出したため、最初は必ず足で探して目で選び、肌に塗布したり飲食に使ったりして試したものばかりなことに変わりはありません。
    商用としては糸目もなければ計算もなく、相変わらず頭の悪い入手をしていると思いますが、自身の理念により、このまま納得できるオイルを使用し続けます。

    食用品グレードと化粧品グレードのオイルの差は、精製度や検品回数によるもので、私はホームページ及びブログでは肌には必ず化粧品グレードを使うようにと示唆しておりましたが、理屈からすると石鹸に余剰オイルを残して肌に付着するならば、石鹸オイルも化粧品グレードでなければならないか?
    ということになるわけで、ならばと、全て化粧品グレードのオイルで石鹸を作ってみましたが、同じオイル同士で食品グレードと比べた場合、あまりに精製され過ぎていると良い意味での雑味、重厚感がなくなるように感じたので、肌に擦りつけるわけではないことを踏まえて、低温圧搾(コールドプレス)、有機・オーガニック、精製度(エキストラバージン)にだけは強くこだわり、信頼できる良質な食品グレードも使用しています。
    ※ただし、精製過程が多いほどに熱が加わる過程も多くなるという懸念も拭えないという意見もあります。※
    以前から、たまに廉価な得体の知れないブランド、何処かよく分からない生産地のものもありますが、全く興味がありません。

    また、基本的には植物オイルを使用しておりますが、私自身は生体には生体ほど馴染むものはないという考えを持ち、馬タテガミオイルは好んで使います。

    植物バターに関しては、水素添加せずに天然のままでバターの性質を持つものを使います。

    オプションに当たるハーブやマテリアルに関しても、自分なりに厳選しています。

  • 保管

  • 当店の石鹸は、一切の合成保存料、化学防腐剤などの添加物を加えていません。

    よって、当店の石鹸は製作から熟成期間2ヶ月を経て、紫外線を遮断すると共に安定した温度湿度管理の元、30~45日以内のフレッシュな石鹸だけを販売しています。

    石鹸は保管中も熟成は進み、どんどん円やかになりますが、同時に含まれるオイルのわずかな劣化も進みますので、できましたら出来上がり日より1年程度でお使い切りください。
    すぐに使用しない石鹸は、直射日光や高温多湿を避けて風通しのよい場所での保管をお勧めします。

    できましたら石鹸がくっつかないように包装に使っているワックスペーパーやグリシンベーパーから出して保管していただきたく思います。
    夏場はスペースがありましたら冷蔵庫保存もお勧めです。

    また、これはわたしも開店当初から場合によっては使う手段ですが、石鹸をジップロックやタッパーなどに入れて、「使い捨てカイロ」を1つ(石鹸1~2個なら小さめでも大丈夫です)加えてしっかり閉めてください。
    「使い捨てカイロ」の中身は脱酸素剤とほぼ同じものに当たる鉄の粉です。
    鉄の粉が酸化されることで容器の中の酸素を無くすという仕組みで、ジップロックやタッパーの中の酸素が少なくなり、石鹸が酸化されにくくなります。
    「使い捨て」という言葉で勘違いされませんよう、「使い捨てカイロ」は新しいものをご使用ください。
    石鹸と「使い捨てカイロ」を入れたジップロックやタッパーは、やはり直射日光や高温多湿を避けて保管してください。
    フレッシュさが長持ちします。

    と、書きましたが、私が感じるに、手作り石鹸はそう脆弱なものでもありません。
    私が石鹸を作ったことがなく意味も知らない頃から、余剰オイルたっぷりの手作り石鹸を探して使っていた友人は、
    「私は熟成の進んだ円やかさが好きだから、不要なくらい買い込んで自分で熟成してる。といっても、適当にソコラに転がしてるだけだけど、効果は更によくなるし、全然問題ない。」
    と豪語していました。
    また、聞いた話しでは、手作り石鹸の本場欧州では、表面がかなり深くまで茶色く変色するほどに酸化して酸化臭漂う石鹸を好む方も中にはいらっしゃるそうで(進む熟成によるアルカリ度低下による円やかさのためでもあります)、オイルそのものと違うプロセスを経た石鹸の酸化は、強くナーバスにならなくてもよいのかも知れません(知れません、であり、推進はしません)。
    私自身は商品のフレッシュさにはもちろん神経質です。
    商品ではないプライベート石鹸に関しては、ソコラに転がしはしないけど、わりと適当な扱いをしていますが、長年経過しても、幼児を含む家族共々、問題は起きていないことだけ書いておきます。

    ※酸化のメカニズムと試みている対処

    物質に於いての酸化とは、物質が酸素が付いたり水素が奪われることで、電子を失う化学反応です。

    オイルについて、効能と共に「もしもの保身」かと疑ってしまうほどに「酸化酸化酸化」と書いていることもあるので、できる対処を試みています。

    オイルは、酸素、光、熱、水、金属などに触れると、活性酸素(フリーラジカル・不対電子をもつ原子や分子、イオン)によって酸化され、有毒な過酸化脂質が作られます。
    日光に当たると活性酸素の発生により、酸化が早まります。
    酸化が危険であるのは、成分が変性することにあり、体に有毒なものが発生してしまうことです。

    オイルに含まれる脂肪酸の組成や含有量によって、酸化の速度は変わります。
    基本、飽和脂肪酸が多いと酸化しにくく、不飽和脂肪酸が多いと酸化しやすいのですが、もっと突き詰めると各オイルのヨウ素価の数値によって、酸化しやすい乾性油、普通の半乾性油、酸化しにくい不乾性油に分かれます。

    ならば、酸化しにくいオイルだけで石鹸を作ればよいのですが、残業なことに中には秀でて特異な有効性を持つ酸化されやすいオイルが存在します。
    この特異な有効性を満喫しない手はないとスルーできず、同時に抗酸化作用を持つビタミンE含有の高いオイルを加えたり、ビタミンEオイルそのものやローズマリーエクスラクトを加えたり、抗酸化力の強いハーブを加えたりの工夫をしながら使用しています。

    また、どの使用オイル自体も使用期限までが長い、常に新しいオイルを小まめに準備して取りかかります。

    また、オイルは過熱によっても酸化します。
    これも、オイルの脂肪酸の組成によって、加熱に強いオイル、加熱に弱いオイルがありますが、加熱によって酸化されると、やはり過酸化脂質が発生します。

    リノレン酸は特に注意が必要で、臨界温度以上に加熱すると有害物質であるアクロレイン有害物質を発生させます。
    加えてリノレン酸やリノール酸は、臨界温度以上の加熱でトランス脂肪酸へと変化します。

    よって、できるだけトランス脂肪酸への変性を避けたく、使用材料は低温圧搾(コールドプレス)にこだわります。
    石鹸を作る際の加熱は最も避けたいところゆえ、融点の高い植物バター類や馬タテガミオイル、起泡や硬化のために少量使うパームカーネルオイル、ココナッツオイル、パームオイルを湯煎で溶かすのみにしています(コールドプロセス製法)。

    他、原料中に銅、マンガン、鉄、クロム、ニッケルなどの金属が含まれると触媒になって酸化を促進します。
    このことを知ってからは、製作に当たり、丈夫で使いやすいステンレスボウルやステンレス攪拌器は諦めて使わなくなりました。