素朴に退屈でありながら、優しい保湿保護に長けた16世紀からの原点石鹸(もどき)
オリーブオイル
シアバター
キャスターオイル
精製水
水酸化ナトリウム
コスメグレードのEXバージンオリーブオイルで作ったカスティールもどきの石鹸です。
100%同一オイルであることがカスティールの掟ですが、あまりに素っ気ない退屈さが気になって、保護膜になるシアバターと泡粘度が出るキャスターオイルを少量加えたための「もどき」です。
最初の試作は昨冬で、およそ半年後に初解禁してみました。
ところが
起泡力が緩い。
しかも、オリーブカスティール自体が通常そうなるようですが、石鹸そのものが硬いです。
ところが、浴室内などの高い湿度の中ではヌメっと柔らかくなります。
泡立てが他に比べて面倒ではあるものの、気泡が小さな泡はとてもキメ細かで密度が高く、後肌は膜を纏ったような感覚があり、かなりの度合いでシットリします。
膜はポリマーやシリコーンの人工的な膜ではなく、とてもナチュラルな心地好い膜で、ちょっとクセになります。
よって、継続して何度もマメに作り、この一年近く、たくさん試作してみて、季節を通して熟成期間を変えたりしつつの発売です。
「もどき」配合した2種について。
・オレイン酸満載のシアバターの保湿保護力は周知で、オーガニックにこだわっています。
・85~90%がリシノール酸で成るキャスターオイルは、血液やリンパ液の流れを促進すると共に抗菌解毒作用を持つため、肌のデトックスや新陳代謝を促してくれます。
キャスターオイルのテクスチャーはびっくりするするほどにネバネバですが、直接肌に塗ると意外にも浸透力は高く、傷の回復もしくは傷跡の皮膚細胞を改善してくれる効果がある上に石鹸に配合すると弾力ある粘り強い泡が立つ点が魅力で、当店ではほとんどの石鹸に配合しています。
当店のキャスターオイルはどれも日本薬局方の商品です。
カスティール石鹸の語源自体は「スペインのカスティーヤ地方で作られ、16世紀の終わり頃にイギリスに伝わったから」とあります。
そして、17世紀のフランスにて、財政総監コルバートの勅令により、国王ルイ14世がカスティール石鹸(サボン ド マルセイユ)の品質を保持するためのルール(材料はオリーブオイル(ポマス)100%、製造の時期など)を定めました。
ところが19世紀になってオリーブオイルが不作となり、「オリーブオイル100%の石鹸からオリーブオイル72%以上と他の植物オイル(ココナッツオイル、パームオイル)を加えた石鹸=マルセイユ石鹸」が誕生しました。
私はヘソ曲がり炸裂で、オリーブオイルが不作で高騰が止まらない今になって作りました(わざとヘソ曲がりするわけではなく、単純に作りたくなったのが今でした)。
ところで、数年前、久しぶりにおフランスの、あの腐ったみたいな緑色の本気マルセイユ石鹸をいただき、参考にしたくて使ってみたのですが、匂いが強くて臭くて臭くて。
定義が2年以上の熟成したものだから、酸化臭?
鉄臭いオイルの酸化臭とはちょっと違うような、湿原で朽ちかけた竹?みたいな、何か分からないけど、グェッとまではならなくても我慢できなくて、結局、ポイしちゃいまして。
で、オリーブオイル100%で作って熟成していたら臭くなるのか?と思ったりして、初めて作った際には臭み誤魔化しとして着香しましたが、無香も試作してみたら結果的には着香しなくても臭くはならないことが分かり、オイルそのものを素直に堪能するために無香にしました。
で?あの本場の不思議な緑色とくちゃさは、どこがどうなってるのだろう?
今後、追及してみたいです。
余談が多くなりましたが、とりあえず私には触感も泡も後肌も不思議ちゃんの部類です。
退屈な商品ですが、素晴らしい利点は、肌が弱い方(弱っている時)、敏感な方(敏感な状態の時)、小さなお子さまにも問題のなく使える優しさを兼ね合わせている点です(個人差あります)。
※当店の石鹸は雑貨です。ご使用に関しましては自己責任でお願いいたします。
硬かったら使いにくい?どんな肌に向いてるの?
浴室などの湿気の高いところに置いていたら、だんだん柔らかくなるよ♪頑張ってザックザク泡立てて全身使用にお勧め。一般、手作り石鹸がお好きなどなたにも使えるけど、肌がデリケートになった時には特にお勧めしたいです。